きちがいまんこと私
さっき、電車できちがいまんこを見た
丸ノ内線は空いていて、ちょうど四ッ谷から新宿にかけて乗っていた
「生きることはなんて、素晴らしいの。あなたもそう思うでしょ。思うはずよ、なんなら手塚治虫の漫画でも読んでみなさいよ。そしたら嫌でもわかるわ。生きていることは素晴らしい。でもね、駄目なのよ。そんなことわかっているけれど、だけどね、そう、例えるならものごとを見ている角度が違うの。みんなが見ている角度から見ることができたなら、すべては万事上手くいくのだけれど、わたしはどうしてもいま立っている位置から、見通して解決してみたいの。頑固なまでにティッシュを箱の底から取り出してみたいのよ」
うろ覚えだけどそんなことを言っていた
村上春樹の小説に出てきそうな喋り方だったので
ちょっと気に入った
枯れた声と大げさなジェスチャーとともに
車内を行ったり来たりする様は
どこか私に似ていた