人は住所が9割
似たようなタイトルの本があるが
真実だと思う
事実、私が大学生のときアルバイトをしていた店は
会員登録をしてもらう際に書かせる住所で客のグレードの一次仕分けをしていた
そしてその仕分けの結果に従って接客態度を変えていた
そうするように店長から指示があった
私は初めてその指示を受けたとき衝撃を受けた
グレードはS, A, B, Cの4段階だった
Sランク:港区、渋谷区、千代田区、目黒区の4区
Aランク:文京区、中央区、世田谷区の3区
Bランク:新宿区、中野区、杉並区など5区
Cランク:その他11区、23区外、都外
詳細は割愛するが、
これに田園調布や武蔵野市、横浜など
一部の例外を設けて仕分けを行っていた
きっと私のいた店の独自ルールなのだろう
後にも先にもこのような話は聞いたことがない
だが、事実グレードの高い客は平均購入単価が高かった
だからその客に対してより良い接客サービスを提供するのは当然だった
店員を使うだけ使って何もお金を落とさないというのは
売る側の立場からいってあり得ない
それは客であって客ではない
だから、会員登録の紙に例えば
「足○区」なんて書かれたときには
失敗くじを引いた思いだった
最初のうちは私も平等に扱おうと低ランクの客にもそれなりの接客をしていた
しかしやはり、お金を落としていかない
店長の指示は正しかったのだった
慣れてくると、もうB、Cのランクの客は人間にすら見えなくなった
「いらっしゃいませ」も「ありがとうございます」も言わなくなった
商品を手に取る客の近くに寄り、真顔で立ち尽くしていた
「早く帰ってください」そう祈っていたのである
結局その態度が露骨にすぎて
客というモンスターからクレームが来てクビになったのだが
店が客の質を判断できる要素は限られている
着ている衣服、ブランド、喋り方
そして住所
私は他には聞いたことがないが、
住所で客を仕分けする店は必ず存在すると思う
レベルの低い区、エリアに住んでいるだけで軽んじられる可能性がある
これも私が港区に住もうと決めた理由のひとつなのである